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2010.01.20 (Wed)

70億の針 1巻


70億の針1
(2008/11/22)
多田乃信明

耳をふさぐ少女の中には、
宇宙の声が響く。
それは絶対の敵の到来を知らせ、
慇懃無礼に無理を言う。

知的生命たる少女は、
正々堂々、声を無視することから始める。


【More・・・】

ヘッドホンやイヤホンをして、
生活の中に音楽を持ちこむことは、
多分、聞きながら耳をふさぐことなんだろうな、とか
自分がそうしながらそんなことを思ってたんですが、
その分かりやすい典型がいました。
それが高部ヒカル、開始8ページで消滅した主人公。
まあ、超がつくほど真面目なテンガイさんが直してくれましたが。
体の中に同居する「声」は、
耳をふさいで生きる彼女にとっては迷惑千万なのに、
饒舌で、嫌味なくらい誠実な地球外生物とは、もう離れられない。
単純に考えて、嫌だろうなと思う。
そりゃあ、無視したくもなります。
そもそもヒカルは友達とか新しい家族とか、
自分の周りの人々でさえ拒否しているわけで。
報われない序盤のテンガイさんが若干かわいい…。

過去に何があったのかまだ分かりませんが、
拒否するくせに、ヒカルの順応性はもの凄く高い。
「声」の同居という異常事態や、
地球の全生命の存亡をかけた戦いに巻き込まれながら、
ただ「うるさい」と思う。
さすがに敵に腕を落とされたときは、気を失ったりしましたが、
それでもそこからの回復力は尋常じゃない気がする。
出会いがしらに腕を落としにくるような化け物に立ち向かうなんて、
普通もっと恐怖するものじゃなかろうか、とか思いますが。
まあそのアンバランスさが、
テンガイの微妙にずれた認識と相まって魅力、なような気もします。

犬猿の仲、どころじゃない、
絶対的な敵対関係にあるテンガイとメイルシュトローム。
メイルシュトロームは宇宙に存在する全生命の敵、らしいので、
それを追う者であるテンガイの重要さといったら、
ウルトラなマンの比じゃない、はずなんですが、
その責務のわりに、この追跡者は間が抜けている感が否めない。
いきなり人を灰燼に帰したことを気に病むくせに、
ぬけしゃあしゃあと危険に近づけと言う。
緊急事態に、事態の究明よりもヒカルの認識の矯正を優先する。
あんまり悠長なので、もうさっさとヒカルの意識を乗っ取って、
敵を粉砕してしまえばいいのに、とか思ってしまう。
知的生命のみを損なってはならないという、その規範も、
なんだか、頭が良い動物だから食べてはならないというような
のどにひっかかる理屈に近いものを感じてしまう。
その辺りのことをテンガイさんに問い詰めたい。

存外早くに敵との邂逅は叶うわけですが、
メイルシュトロームが意外と人間臭い。
全生命に仇なすもの、というと、
質量と力が肥大化したウイルスのようなもので、
もう機械的に、理由もなにもなく、
生命現象として殺戮を行うものだと思ってましたが、
むしろ敵は、地球征服を企む変質者、といったテイストだったようで。
それともそれは乗り物が人間で、
しかも若干のトラウマを抱えたシュンスケだから、そうなるのか。
そうだとすると、人に影響を受けるなんて繊細な敵だ…。

命を差し出すか否かを迫られたヒカルの決断の速さが、
彼女の真っ当さと孤独を表しているようで、
スカッとする場面のはずなのに、やや寂しい気がした。
それから、お風呂の場面が二度ありますが、
ヒカルさん、頭洗わないんですか…。
髪を結わえたまま湯船に沈む彼女に違和感が。
もうメイルシュトロームに致命的な一撃を加えたわけで、
この先どうするんでしょう。
テンガイ&ヒカルのタッグは解散できないし。
次の敵が来るのなら、いよいよヒカルはウルトラウーマン風に。
それはそれで面白いかもしれないけれど。

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テーマ : 漫画 - ジャンル : アニメ・コミック


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