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2010.02.11 (Thu)

男子迷路


男子迷路
(2010/1)
阿仁谷ユイジ

ようこちゃんの試みる証明は、
非常に難しい命題だけれど、
ふとすると、Q.E.D.に至っている、
そういうものなのかもしれない。

それに、落ちた瞬間に。

【More・・・】

恋する男ども+女子一人のお話。
「悪い男」も理屈でラブを証明したい女の子も、
皆々様見事に迷路にはまってらっしゃいます。
その、落ちた瞬間の顔がいい、と思う。
実際にその瞬間、誰もがこんな顔をしているなら、
もう恋なんてものは、隠すのなんて無理でしょう。
意味は若干ずれますが、
「他人のラブはこんなによく見えるのに/
 どうして自分のラブは見えないの?」
というようこちゃんの言葉が沁みてくる。
その瞬間に鏡の前に立てば、
自分のラブがどこにあるのか、あるいは見えるのかもしれない。
言ってて自分で恥ずかしいんですが。

双子の兄弟、バーテンダーと客、高校の先輩後輩…、と
コロコロとサイコロが転るように繋がる人間関係の中で、
あちこちでようこちゃん的に言うところのラブが満ちていて、
ラブを定義したい彼女じゃなくても、羨ましくなります。
もちろん満ちるばかりでもないわけですが、
それも含めて、なんだかみんな幸せそう。
迷路なのに、なあ。楽しいんだろうなあ。
まあ、全体的な傾向としては、
「ラブリーモンキーベイベー」ではサルが、
「恋フォルダ、上書き保存。」ではドラが、
つまりは若者たちが、理由は違えど年上の男に泣かされてます。
そういえばどっちも伴内兄弟の話だ…。
全く、この兄弟は別のベクトルで困った人間だなあ。
これぞ兄弟、なのかもしれないけれど。

全六編の中で特にと言えば、
「線の上でトモダチ」とさっきのサルの話。
好き好きと言われまくれば、
その気がなくても気持ちいいもんだろうと思いますが、
そう言って報われない気持ちも知っているから、胸にくる、
という児玉の理屈、分かると言ったらダメだろうなあ、やっぱり。
児玉のしていることは、多分結構ヒドイ。
本人も自覚しているようだけれど、
好きでいてほしいから、気をもたせることをし続けるなんて、
優しいどころか、傲慢極まりない。
でも、見方によっては心だって、優しくはない。
我慢強くはあるんだろうけれど、結構好き勝手やっている。
つまるところ、彼らはそんな風にバランスが取れて、
わりとお似合いなんだろうなあと思います。
ようこちゃん目線の「❤のトートロジー」ではもう完成間近っぽいし。
心はいわずもがな、児玉も落ちてるんだろうなあ、これは。

サルこと猿谷と伴内兄弟の肯一の話は、
お釈迦さまの手の平であがく孫悟空の話でもあり、
孫悟空に夢中なお釈迦さまが大人げなく大人ぶる話でもあります。
ついでに言えば、恋に恋するドラが被害者な話。
調子にのって、後でギャンギャン泣くサルがかわいいのはもちろん、
実は全然余裕ないのに余裕ぶる大人も、
それはそれでなんだかかわいい気がしました。
伴内先生はベタな展開に弱いらしいですが、
出会いもベタな展開なら、サルを遊ばせる手練手管もベッタベタだってことに、
先生が気づいているのかも気になるところ。
その分まっすぐで、直にヒリヒリくる感じがいいですがね。
自分は幸せ者だってことにサルが気がつくのはいつになるやら。

迷うためにある、迷路。
そういうものだからこそ、彼らは楽しげなのかも、とか
そんなことを思った迷宮探訪でした。

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テーマ : 漫画 - ジャンル : アニメ・コミック


22:57  |  阿仁谷ユイジ  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

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