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2010.04.27 (Tue)

ハムレットQ1


ハムレットQ1
(2010/02/09)
ウィリアム シェイクスピア

策略には、復讐を。
恥ずべき行いには、戒めを。
その全てには、悲劇を。

そんな風に人が真剣な様に、
笑いを感じてしまう自分は、
人としてどうかと思った。

【More・・・】

かの有名な三大悲劇の一つ。
恥ずかしながら初めて読みました。
解説によれば、海賊版のと考えられていたもので、
他のバージョンに比べるとかなり短いらしい。
読んだことがなくても、
どこぞで聞いたことがある有名なセリフまで、
ざっくりと削られていたり、なかったり。
正規の「ハムレット」がどれかという話とは別に
話の大筋が同じとはいえ、
なんだかえらくすっきりし過ぎて、
拍子抜けしました。
登場人物の葛藤をさらりと流して、
筋だけを追ってしまえば、悲劇らしささえ薄い。
なんだかなあ、という感じ。

妙に淡泊に感じてしまうのは、
おそらくこれが「台本」だからでもあるんだと思う。
舞台を見ずに、台本だけ読んでも、
物語の良さは感じにくいものでしょう、多分。
基本的にセリフだけで進む台本な上に、
彼らの心情を直に伝えるはずの独白まで大幅に削られて、
白々しさだけが前に出てきてしまっている気がした。
ノーカットで上演すると、
四時間以上かかってしまうらしいので、
舞台をやるのも見るのも確かに困難なんですが、
それでも舞台のために書かれた本は、
舞台の上にあるものを見た方がいいようで。
「ガラスの動物園」を読んだ時も、
同じようなことを思った覚えがありますが、
古典となっている物語だからこそ、
尚のこと、筋自体の既視感が大きくて、
台本を盗み読みしているだけのような気がしてならなかった。

物語の大筋は、策略と復讐。
それらに悲劇はつきものですが、
ざっくり見ると、どうもコメディーのような雰囲気もした。
ハムレットがポローニアスを刺殺した場面にしろ、
終盤、連鎖的に悲劇が起こる場面にしろ、
それぞれの登場人物が、
もう少し他人の感情と物に気を配っていれば、
それだけで悲劇は防げたはずで、
ドミノを倒すようにバタバタと人が死んでいく様は、
どこか出来すぎな気がして、笑いさえ誘う。
人が死ぬ場面で笑うなんてどうかと思うものの…。
ただ、ハムレットがホレイショを止めるところは、
どうしようもなくグッときた。
結局自分は「忠義」という言葉に弱いんだなあと思う。

この短いバージョンで大筋は分かりましたが、
長い方も読んでみた方がいいなと思った。
これではシェイクスピアの悲劇に妙な認識をもったままになりそう…。
できれば舞台にかかったものも見たいけれど、
今「ハムレット」をやっている劇団はあるんでしょうか。

シェイクスピアの経歴を読みながら、
彼が四百年以上も前の人間なことに今さら驚いた。
日本が天下分け目の合戦をやっていた頃、
この劇作家は天寿を全うしようとしていたワケで、
「ハムレット」は江戸時代の和綴じの文献よりまだ古い。
そう考えると、この物語性、エンターテイメント性は、凄いのかも。
学生時代に読んだ日本の古典たる物語にも、
かなりワクワクとハラハラをもらったものですが。
人の想像力には、いつまでも感服させられる。

あと、なにはともあれ「尼寺」のシーンは、
笑うしかないと思う。

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