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2009.05.02 (Sat)

神の棄てた裸体 イスラームの夜を歩く


神の棄てた裸体 イスラームの夜を歩く
(2020/4/24)
石井光太

イスラーム
その言葉で喚起されるもの。
多分自分のそれに「本当」は少しもない。

夜を歩いた人の目を通して
それに近づきたいと思った。

【More・・・】

厳しい戒律とそれに従順な人々、そしてテロ。
そういうイメージが偏っていることを感じながら
それを修正する手立てが分からず、
自分はこの本を手に取ったわけですが、
「旅の始めに」でも書いているように
同じような想いに駆られて、石井さんは旅に出た。見に行った。
単純に、すごいと思う。

宗教、もしくは信仰はどれくらい本能を制御できるんだろう。
そんなことを考えつつ読んで、
終わってみれば、ある程度納得できた気がする。
石井さんの目を通してみたイスラーム世界では、
守るべき戒律も、制御すべき本能も、どちらもそれほど強力ではなかった。
生の前に膝を折る戒めがある一方で
その同じ戒めの前で命を落とす者がいる。
共通するのは、それら全てが現実に根ざしていること。
お金も食べ物も、人のぬくもりも求めずに、
信仰だけを抱えて生きている人間などいないし、
しかもそれは矛盾じゃない。
半ばその存在を信じていた自分を恥ずかしく思った。

「イスラームの夜を歩く」の副題の通り
全体としては春をひさぐ人々とその周辺の話が多いんですが
第三章「家族の揺らぎ」はちょっと毛色が違っていた気がします。
背後には宗教と社会、そして性。
それらのごった煮みたいな問題があるのは同じでも、何か安定を感じる。
少しも歓迎すべき状況ではないのに、安心してしまった。

なんでだろうとつらつら考えて、そうかと思った。
他の章に比べて、彼らの感情が身近に感じられるからかもしれない。
もちろん、それは理解じゃない。
子供をさらわれる母親の気持ちも、一夫多妻制の中の男女の気持ちも
等しく分からない。
でも、家族を失う痛み、そして家族が増える喜びなら、まだ分かる。
少なくとも、戒律と生活の間でもだえる人々のそれよりは。
だから、安心するのだと思う。
あまりに違う在り方の中に、繋がるものを見つけた気がして。

たくさんの収穫がありましたが、
同時にもっと勉強しなくてはと思いました。
気持ちを理解する以前に、基本的な知識が欠けているのを痛感…。
それに一冊の本で分かった気になっていては
偏りまくりは改善しないでしょうから。
精進します…。

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