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2010.05.22 (Sat)

妖怪アパートの幽雅な日常②


僕とおじいちゃんと魔法の塔2
(2009/3/13)
香月日輪

極楽というものがあるのなら、
そこにはうまい飯と、楽しい者モノと、
ほどよいスリルや疲労があるに違いない。

やはり、このアパートは、
彼岸にあるんでしょう。


【More・・・】

どうやら本格的に、
夕士少年は覚醒してしまったようです。
魔道書って…。使い魔って…。
なんだか懐かしささえ感じる言葉。
携帯にカメラがついてることに驚いたり、
るり子さんの和食にメロメロだったり、
何かとそこら辺の高校生から逸脱している夕士。
そこにさらに、朝五時から修行とか、
トランス状態になって記憶ぶっ飛ぶとか。
今まで「普通」を経験できなかった分、
学校やバイトや恋や、
そういうことで青春を謳歌してくれれば、
それだけでいいとか思っていたのに、
どうやら彼が望んだ場所は、そうはさせてくれない。
まあ、本人が楽しそうなんでいいんですが。

誰ぞも言ってたような気がしますが、
確かに一巻の序盤やアパートを出た後に比べると、
夕士は随分明るくなったような気がします。
感情の起伏がはっきりしてきたというか。
笑ったり、怒ったり、悲しんだり。
稲葉夕士という少年は元々こういう子だったなら、
早く早く大人になろうとしていた中学時代は、
彼にとってやはり苦しかったんだろうな、と
飯がうまいと言っては叫び、
長谷と一緒にピンチに陥っては叫ぶ少年を見ていて、
悲しいような、嬉しいような気分になりました。
春休みだからということもあるんでしょうが、
なんだか余裕のある生活を送れているようで、
どこか彼岸のようなアパートの空気に、
思う存分浸って自分を取り戻していけばいいと思う。

今回は長谷がアパートに遊びにきたり、
二人でバイクで疾走したりして、
夕士とアパートの外の「普通」を繋いでいるのは、
一重にこの友人なんだなと実感。
学生の身分でちょっとどうかと思うくらいの、
手土産持参でアパートに挨拶にくるとか、
一体どこの心配性の親御さんだという気もするけれど。
生徒会長で裏番で合気道の遣い手で、そして週一の夕士への手紙。
長谷くんは多分、夕士とはまた違う意味で、
「普通」ではない、超人かこの人。
それでも不安になったり、ビビったり、
こういう言い方は彼の気に障るだろうけれど、
やっぱち年相応にガキ臭くて、
夕士とクリと川の字で寝る場面では、少し安心した。
現実的な志をもつ彼らには、
「少年よ、大志を抱け」なんて言う必要はないけれど、
彼らは、まだ自分たちが夢を膨らませらて、
世界を広げられる位置にいることを自覚することかもしれない。
二人とも、ゆっくり大人になればいい。

おそらく次巻は夕士も長谷もそれぞれ学校へ行って、
縁側でパパママをやっている暇はなくなるでしょうが、
「行ってきます」と「ただいま」を
大きな声で言える場所があるなら、
夕士の高校生二年目はなんとかなるかと思います。
長谷の家庭のことは少し心配だけれど。
まあ、長谷がピンチになったなら、
若き魔道士が放っておくはずもないので、
それこそ空を飛んででも助けに行くだろうなあ。
古本屋や薬屋なんかの怪しい人々も増えて、
ますますアパートも騒がしくなりそう。
そういえば秋音ちゃんは高三なので、
もしかしたら、別れがあるのかもしれませんが。
大食いの元気少女がいなくなったらちょっと寂しいなあ。

何かというと酒ばかり食らう大人組が、
なんだかプーの集まりに見えるけれど、
彼らの見えない所で働いてるに違いない。
そういうことにしておきます。

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