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2010.06.11 (Fri)

きらめくジャンクフード


きらめくジャンクフード
(2006/12)
野中柊

欲求は、ある。
体がそれを叫ぶ。
財布と体重計に相談する。

…。

食べたい。だから、食べる。
そんな単純さは美しい。
よし、食べよう。

言い訳じゃ、ないですよ?

【More・・・】

ジャンク、junk、下らないもの。
ジャンクなフード、つまりそういう食べ物。
思えばなんとも取り付く島もない形容…。
食べ物を粗末にしちゃいけません、とは言っても、
ジャンクなんてものを冠していては、
軽く見られても仕方がない気もします。
そのくせ、ジャンクじゃない食べ物って、
一体どんな?とか思ってしまうほど、
普段からお世話になっているので、
今さらあれがジャンクこれがジャンクと言われても、
なんだか違和感がありますが。
ファーストフードの語感に近いけれど、
体に悪い感がもっと前に出ている、ジャンクフード。
その魅力を野中さんがずばり言ってくれています。
「美味しいんである。好きなんである。」
その通りでござい。

美味しいものは太る。
と言うより、肥えるものだから、美味しい。
舌というものはそういう風にできているし、
何かで読んだ話によれば、
美味しい、というのは一種の快楽らしく、
脳内麻薬的なものも分泌されるらしい。
食べろ肥えろと、脳が体が命令する…。
所詮人の気持ちなんてものは体の欲求の僕か、とか
そんなことを思ってやるせなくなった覚えが。
まあ、そんな理屈を持ち出さなくても、
美味い。だから、食べたい。
もうそれだけでいいんじゃないか、と、
野中さんのジャンクフードへの情熱を見ていて思う。
ジャンクの王道ハンバーガーやフライドチキン、
各種甘味、揚げ物、イベントものの食べ物。
野中さんは、食べる。
より美味いものを求める。作る。で、食べる。
なんとも天晴れな潔さ!

ただ一方で、ジャンクの道を究めようとして、
より美味いものを求めていくと、
悲しいかな、ジャンクらしさが失われていくと思う。
材料や調理法にこだわれば、もちろん美味さは増していく。
でも、もはやそれはジャンクじゃない。
なんだか高等すぎる。ジャンクはジャンク。
手を込ませてはいけない。
高嶺の花どころか、路傍の石の下くらいでいい。
健康なんか顧みない。合成着色料万歳。
まあ極端に言うと、それでこそジャンクという気がする。
上品な餡と白玉と黒蜜のかき氷はもちろん美味しい。
でも、「あ」に「゛」をつけて呻くような夏、
どうしようもなく体が求めるのは、
プラスチックのカップ入りで、
不健康な鮮やかさのシロップがかけてあって、
ストーローっぽいスプーンで食べる、あれ。
体が求める不健康さにこそジャンクは合う、と思う。
ついでにかき氷はメロンだと思う。

かき氷ももちろんそうだけれど、
食い物を美味しくするのはやはり味だけではないらしい。
匂いやら見た目やらはいわずもがな、
存外大切なのはシチュエーション。
家庭の味が真に世界一なら、
世の職業料理人の方々は失職する。
でも、おふくろの味は死語にならない。
美味しいもの、食べたいものを思い浮かべるとき、
そこには特定の場面が再生されるものなのかもしれない。
食べるときの腹の状態から、
一緒にそれを口にする相手まで、十人十色に。
それら全部を含めて、美味しいは実現する。
そんなことを考えると、「美味しい」は、
なんて幸福な言葉なんだろうと思う。
ジャンクだろうが何だろうが、
美味しいことはいいことだ。断言したくなった。

とは言いつつ、
現実は肥えたい体との格闘ですが。
あー、ドーナッツ食べたいなあ。

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