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2010.07.27 (Tue)

HER


HER
(2010/7/8)
ヤマシタトモコ

人は、千差万別。
「同じ」ものなんて、
大量生産の製品だとしても存在しない。

しない、けれども、
女というものはこういうもの、だと思う。

彼女たちは、確かに女だ。

【More・・・】

女の人って、とか、男って、とか、
そういう文脈を耳にする度、
あるいは自分の言葉の中に、
気がつかないうちにまぎれこんでいるそれを、
ため息をつきながら見つける度、
こういうのは絶滅しないんだろうな、とか思う。
社会系の学者の方々には怒られそうだけれど、
きっと男たちが狩りに出ている間、
女たちは洞窟で男どもの噂に花を咲かせていたし、
男は男で、狩場に向かう道すがら、
女の良し悪しを論じていたんでしょう。
だからって何が正当化されるわけでもないけど。
でも、そう思った上で、さらに読んで思った。
女の人って、かわいい。

ほんの少しずつリンクした、六つの話。
その主人公たる女たちは、
年齢・職業・主義主張に隔たりがあって、
ときには真逆にさえ見える。
でも、一篇一篇を読んでも、
六篇を続けて辿って行っても、
ああ、女なんだなあって思った。
見下す意味も見上げる意味もなく、
ただ彼女たちの悩む姿、
そして何より自ら勝手にたどり着く結論の在り処に、
女の人ってこういう生き物なんだと納得した。
区別分類してラベルを貼るようなやり方は、
普段意識して避けているつもりだけれど、
なんだか妙にすっきりと写真家の言にも頷いてしまった。

誰の話がというわけではなく、
ということはつまりここで言う「女の人」というものは、
何かしら自分にないものを数え上げて、
それを噛んだり飲み込んだり、
あるいは数えたことを忘れたりして生きている、
そういうもののような気がした。
まあ、人類皆「そういうもの」なのかもしれませんが。
数える対象は何でも良くて、
身長学歴見た目だけでなく、もっと内面的で、
そもそも羨んだ相手に、
それが本当にあるのかも不明な何かだったりもする。
そうして勝手に妬み嫉み、自分に絶望しながら、
にっこり笑って見せる。ときどきわざと栓を緩めたりもする。
文字にしてしまうと、なんだかひどい。
でも、六話目の彼が言っているように、
そういうところが…、なんだと思う。愛す可しだなあ。

それはそうとして、
なんだかみんなオシャレさんだなあと思う。
表紙にしてもそうだけれど、
地味道を行く西浦さんですら、キマッてる。
なんだろうこれは。自分が疎いだけなんだろうか、やっぱり。
服オタらしい井出さんの靴を、
「こわい」とか言ってしまう宮木くんの気持ちが分かる…。
井出さんと本美さんに並ばれたら、
うわっとか思ってしまうと思う。
太刀打ちできないというか、もう参りましたな感じで。
オシャレを怖いと思ったり、
カッコいいに怯んだりするのも、
自分にないもの、ないと思っているものを、
数え上げることの一種なのかもしれない。
早い話が劣等感の裏返しなんですが。
とはいえ、本美さんは格好よくて可愛い希有な人だと思う。

写真家の言う「世界の決まり」。
「予言?」と言える年頃を過ぎて、
自分は今どのあたりにいるんだろう。
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テーマ : 漫画 - ジャンル : アニメ・コミック


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