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2010.08.21 (Sat)

夏目友人帳 10巻


夏目友人帳10
(2010/7/5)
緑川ゆき

成長期を過ぎても、
人は成長を続ける。
その道にはおそらく終わりはない。

ヒーローにもならず、
かと言って落ちこぼれでもなく、
ただ当たり前に成長する少年の姿に、
胸を熱くした。

【More・・・】

最初から強い主人公もいいけれど、
少しずつ成長していって、
それを見守るように読むのも楽しい。
とうとう10巻まできて、
夏目はやはり後者の主人公なんだなと、
改めて思った。
最初の頃の夏目に比べると、
明らかに夏目は成長している。
しかもそれは、
唐突な修行やお手軽な才能ではなく、
ひたすらに出会いによっている。
失敗し、後悔し、また失敗して、
繰り返す中で少しだけできることが増える。
だんだんと強い目をするようになってきた彼が、
なんだか愛しくて仕方ない。

古い知り合いに巻き込まれた夏目は、
また人と妖の間に立って、
なんとか上手く立ち回ろうとして、
結局両方に拒まれることになる。
言葉を信じてもらえないという、
彼にとっての大きなトラウマを蒸し返しながら。
かつての夏目ならおそらく、
トラウマの前で立ちすくんで、
それを誰かの優しさやにゃんこ先生に後押しされて、
やっとこさ半歩進む。それで精一杯。
でも今回、夏目は自分で一歩を決めたように見える。
言葉が足りなかったことや、
事態をちゃんと見極められなかったことを、
誰の手も借りずに認めて、動き出した。
「やれることをやる」なんて
単純極まりない信念だけれど、
それを本当にやることは難しいと思う。
夏目は本当に強くなった。

一難去ってまた一難。
今度は妖同士の勝負に巻き込まれます。
久しぶりに登場した名取さんも絡んで、
事態はややこしいことに。
その結果の表紙のゴージャス。
豊月神の衣装がちょっと女性的なので、
なんだか愉しい、いや、楽しい。
不月神と豊月神の勝負の結末は、
とても美しくて、不覚にも涙腺にきた。
それから、夏目を見守る者たちの目がいちいち暖かくて、
それにもぐっときてしまった。
無茶をする夏目に怒る名取さんも、
夏目を背中に負うなら、神にも牙剥く先生も、
ふとした小さなコマに描かれる目に、
夏目への想いがにじんでいると思う。
足掻き続ける少年の周りの暖かさが嬉しい。

そんな風に見守る大人である名取さんですが、
この男にもまた、見守る者がいる。
妖と夏目、人と夏目、名取と夏目。
その繊細な関係性の陰になりがちだけれど、
名取を想う柊の気持ちが随所に見えて、
今回の影の主人公はこの人ならぬ守り手のような気がした。
白笠たちの惑いを諌め、名取の立場を案じ、
そしてそれ以外の随所で彼を慮り、想う柊。
多分登場していない多くの場面で、
苦しい思いをしているんだろうと思う。
夏目と会っているときの名取さんは、
祓い人でも俳優でもなく、ただ誰かの友人であれる。
最後の場面で夏目と並んだ柊は、
自分の主人がそうあることを望んでいるように見えた。
こんな従者をもてて、この男は本当に幸運だと思う。

不月と豊月は神らしいけれど、
妖と同じように或る程度その存在を人に依る彼らが、
神たる所以がいまいちわからなかった。
とりあえず先生が男前だったけれど。


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