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2010.09.22 (Wed)

僕とおじいちゃんと魔法の塔2


僕とおじいちゃんと魔法の塔2
(2010/5/25)
香月日輪

魔法が発動する理や、
次元を渡る旅人の歩みを、
彼らは理解できない。
それはもうチンプンカンプン。

それでも、塔の中には幽霊や魔物がいる。
確かに異界と繋がっている。
異なるぐらいで、理解不能なぐらいで、
少年たちの世界は壊れない。

【More・・・】

三年前、何をしていただろう。
記録をたどってみれば、
星野道夫の写真集を読んでいたらしい。
そういえばカリブーに見入っていた気もする。
では、それから今日までの三年間で、
自分の何が変わったのか、
あるいは変わっていないのか。
そういうことを考え始めると、
なんとも暗鬱とした気分になってきました…。
一生成長とは言っても、
それが加速度的に起こる時期と、
ほとんど平らな時期というのは多分あるんでしょう。
坂を転げるようなスピードで成長する龍神たちが、
どこまでも愛しくて眩しかった。

小学校六年生と高校一年生の間に
三年しかないことに驚いてしまいました。
物語としては、
中学の三年間がすっぽり抜け落ちているワケで、
成長を追うのにそれはどうなんだと思いましたが、
なんだか意外と違和感なく、
あの日からの塔での生活を脳内補完して読めました。
龍神には年相応をはるかに越えた生活感が根付き、
塔自体にもあちこちに生活の匂いがする。
そうか、龍神は三年間ここで暮らしてきたんだなと思う。
でも、龍神の内面というか、
基本的な立ち位置みたいなものは、
あまり変化がないようで、それはそれでしっくりときた。
たかが三年、されど三年、でもやっぱりほんの三年。
生まれ直したようなあの日から、
龍神はぶれることなく着実に三年を過ごした。
人生は地続きなんだなあ、と当たり前のことを思う。

信久と龍神の関係も、
過去をちゃんと下敷きにして、
確実に変わっていっているんだなと思う。
お互いの中に近いものを見つけて寄り添った二人は、
多くの時間を共有しながらも、
それぞれ別のものに成長していこうとしている。
その感じが会話の端々や、
新しいものへの反応の違いに現れているようで、
ことある毎につい顔をほころばせるおじいちゃんと、
全くもって同じ気持ちになった。
1巻と同じように、
二人が新しいものに触れる感動よりも、
それを見守る周囲の大人に共感を覚えることが多かった。
思いがけず五感を取り戻したじいちゃんが、
初めて本当に孫の重みを感じる場面なんか、
「大きくなったな…」というセリフだけでぐっとくる。
成長云々は別にして、年だけは取ってるんだなと思う。

今回は「魔法の塔」の看板に偽りなく、
魔女っ娘☆が登場。
赤髪に碧眼にゴスロリ、年の頃11~12。
ときどき大きいウサギを抱いてたり、
「ボク」が一人称だったり…。
そん上級魔女に対する信久の反応に、
意外な一面を見た気分ながら、少しばかり共感。
成長、してるんだなあ、信久も。
それはそうと、彼女の話は面白い。
次元を超えること、世界の理。
エスペロスは本当に次元を越えて、
少年たちに分かりやすい言葉で説明してくれる。
それを無理なく自然にできる様に、
この魔女は嵐でありながら、
もう一人の秀士郎になるんだろうなと思う。
自ら混乱と混沌を持ちこむことで、
強引に少年たちに新しい扉を提示するんでしょう。
moemoeしてる場合じゃないぞ、ノブ。

魔法を認め、利用できるものは利用しながら、
それが魔であることを忘れない。
揺れながら応える信久の言葉に、
とても美しいものを見た思いがした。
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