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2010.10.09 (Sat)

炎の蜃気楼31 耀変黙示録Ⅱ 布都の章


炎の蜃気楼31 耀変黙示録Ⅱ 布都の章
(2000/11/1)
桑原水菜

謂れのない排斥。
連鎖する怨み。
そうして争いが生まれる。

誰もが正義を掲げる。
調停人もその一人にすぎない。

【More・・・】

上杉の夜叉衆がやってきたことは、
一体何だったんだろうと思う。
今回少し明らかになった闇戦国の始まり。
そこに現代人の人に害成す意思と、
連鎖する憎悪があったなら、
調伏は火山の噴火口を潰して回るようなもので、
押さえつけても押さえつけても、
どこにもたどり着けない努力なのではないか。
それだけでなく、与えられた使命を裏切って、
色々なものを傷つけ、自分を損ないながら
それでも生きたいという願いの正当性を信じて、
裏四国を成した高耶は一体何なのか。
闇戦国が自然発生的に生まれたなら、
まだ救われたのにとも思う。
裏切られて死んで、
それでも現代人のために他人の生を奪い続けた四百年。
高耶に怒ってほしかったという直江の言葉に思わず頷いた。

世間の敵にされて、
魂をすり減らしながら戦う高耶は壮絶だけれど、
それはそうと、直江とのコンビで謎解きは、
なんだか懐かしいような、
不思議と平和な雰囲気でホッとした。
四国や神護寺のことも含めて、
状況はかなり切迫していて、
昔のようにホテルに泊まったり、
もちろん学校帰りに、
校門に黒服の男がいたりもしないけれど、
でもまるで夜叉衆がそろう以前、
景虎ではない高耶と直江の二人が、
必死に手探りしていた頃のようで、
そうか、これが始まりだったなあと感慨深かった。
できれば晴家や千秋も入れて、またみんなで…、
とか毎回同じこと言ってる気がしますが。

魔王の策略に対抗するには、
敵の欺瞞を暴くか、
でなければ無実を証明するしかない。
もどかしい兵頭の気持ちも分かるけれど、
でも、真っ正直に怨霊だ憑依だと言っても、
受け入れられるはずもないワケで、
もう少し我慢と深慮をすべきだったんじゃ…。
まあ、我慢したところで、
比叡山には狙い撃ちされるわ、
なんだか分からない雨に攫われるわ、
赤鯨衆は近頃踏んだり蹴ったり。
嶺次郎やお久しぶりの伊達さんも頑張っているし、
一応晴家も戦線復帰したし、
明るい要素もあるにはあるけれど。
こんなときに千秋がいれば、
すっぱりとしがらみを切ってくれそうなのになあ。

布都御霊を手に入れることは、
どうやら直江の願いを叶える可能性も生むようで、
また良からぬことを、
というか高耶のことばかりを考えてるんだろうなあ、この人は。
それでこそ直江、といえばそうだけれど、
いい加減高耶もそんなことはお見通しなわけで、
そう上手くはいかないのは目に見えてる。
だとしてもやるのが直江、執念の男。
大いに期待しております。
地味に気になっているのが、
黙示録の冒頭にちらっと出て以来、
全くもって放っておかれている小太郎ver黒豹。
まあ以前のシリーズから引き続き登場してるだけで、
小太郎のファンとしては嬉しいんですが。
この先もちょいちょい出てくれれば至福。
動物だけど一応生身だし、四国は出られるはずなので、
いつぞやのように高耶を助けに来ないかなあ。

一巻からここまでで、十年。
そしてこれは十年前の出版。
分かってはいたけれど、凄い物語で。
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