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2011.02.21 (Mon)

世界平和は一家団欒のあとに2 拝啓、悪の大首領さま


世界平和は一家団欒のあとに2 拝啓、悪の大首領さま
(2007/6)
橋本和也

常に正しくあることが、
誰にとっても困難なように、
常に悪の道を選ぶことも、
同じくらい難しいのかもしれない。

星弓さん家も鶴見さん家も、
多分普通の家族なんだと思う。


【More・・・】

家の中のことなんて、
外側からでは何も分からない。
分かりやすい家柄や身分は、
表向きほぼ撤廃されているし、
嫁だから長男だからなどと言っても、
実態はそういう概念の外にあることもある。
だから星弓家が人知れず世界を救っている一方で、
鶴見家が「悪の一家」をやっていても、
何も表札にそう掲げているわけでなし、
世間的にはただの「鶴見さん」と「星弓さん」。
世界を平和に導くことが目標の正義の味方は、
「人知れず」でいいんだろうけれど、
世界を牛耳りたい悪の組織がそれでは、
組織的に前途が明るくないのは明らかでしょう。
実際軋人に壊滅させられてるし。
ただ実態がどうであろうが「鶴見さん」である以上、
子供は学校へ行かねばならんし、
収入がなければ家計は立ち行かなくなる。
正義の道同様、悪の道をまい進するのも楽じゃない。

星弓さん家はなりゆき上仕方なく、
「正義の味方」的役割を押し付けられているけれど、
どうやら鶴見さん家はそういう訳でもないらしい。
家族全員に特別な能力がある訳でもなく、
なにかと正義と対立させられる(?)訳でもなく、
ただ単純に悪の道を行くべしという家風なだけ。
それでも軋人が出張ってきて、
しかも結構深刻な事態になったくらいだから、
「世界」的にはそれなりに脅威になりつつあったのかも。
でも完全にめこめこにされた親父さんや、
その息子・娘たちを見ていると、
誰だか知らない天の人が危機ととらえたのは、
子供たちの方だったんじゃないかと思う。
銀子の力はもちろん脅威になり得るし、
啓吾の人の動かし方や正志の一途さは、
うまくかみ合ったならそれなりに怖い。
彼らが成長してルクガインとかじゃない脅威を生みだす前に、
先手として親父さんが潰されたような気がする。
悪の大首領さまには二重に同情申し上げる。

一つ目の巨大ロボットとか、
角つき赤メットに赤マントとか、
色々と一般家庭にはなさそうなものが絡んでくるけれど、
クリムゾンデスロードの壊滅後の騒動は、
結局のところ鶴見さん家の家族問題で、
「世界平和」とそのための力の縛りによって、
星弓家内で問題が持ち上がるのと同じように、
鶴見家では「世界征服」と「悪」が縛りになっている。
「世界征服」に失敗した親父はノータリンで、
「悪」に尻ごみする長男は落ちこぼれ。
じゃあ、一番力をもちながら、
人もロボットも動かせず、何も成せない自分は?
銀子が周囲に突っかかりながら足掻くのは、
つまるところ家族の形を壊したくないからなのだと思う。
今まで家族の基本にあったものを捨てたら、
家族は家族でなくなってしまうとでも思っている。
そんなものにこだわらなくても、
繋がっていられると思えるだけ弟たちは大人なんでしょう。

そして相も変わらず世界の脅威と戦う軋人。
前回は回復役たる妹が半ば敵でしたが、
今回は協力的なようでお兄ちゃん良かったね、かと思いきや、
本当の敵は悪の首領さまでも、
その娘のスパッツ少女でもなく、
地球最強、どころか多分銀河系最強の姉でした。
ルクガイン自体はポンコツだし、
銀子も親父さんも単体では怖くないのに、
この姉が関わるだけでいつの間にか何だか命懸け。
不可抗力なのに彩美さんには黒こげにされるわ、
妹にはあらぬ疑いをかけられるわ、
毎度のことながら軋人は苦労人だなあ。
それはそうと柚島さんがなんかノリノリで可愛いかった。
なんだかんだ文句言いながら、
鶴見さん家のことも助けてくれるし。
最強の姉とちょっと怖い妹とツンな女友達と。
軋人にはちょっと嫉妬する。

舞台から降りる鶴見家。
星弓家が降りられる日はくるんだろうか。

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