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2009.05.31 (Sun)

MITSUAKI IWAGO'S ANIMALS-地球の野生動物


MITSUAKI IWAGO'S ANIMALS-地球の野生動物
(1998/9)
岩合光昭

角、ウロコ、とげ。
牙、ひげ、ヒレ。
蹄、肉球、翼。
その他もろもろ、色形さまざま。

多様すぎるぜ、地球!

【More・・・】

人間臭いなあ、と思う。
「野生」なのに。人から遠いはずなのに。
野に空に海に、そして氷上に生きる彼ら。
必要に迫られて食べ、寝て、殖える生活の中にあって
でも、彼らの多くは遊ぶ。
退屈そうにあくびし、体を掻き、ぎゅっと抱き合う。
きっとそれらもまた必要に迫られてのことなのだと、
ほとんど自明のことのように思う自分がいる。
本当は誰かから聞いた話を鵜呑みにしているだけなのに、
彼らの生に無駄はないのだと、人とは違うのだと
どこかで信じているから、こんな違和感を抱くのかも。
人間臭さとは、つまりは無駄のことだ。

岩合さんの写真を見ていると、
本当にそうなんだろうかと思えてくる。
無駄が、言葉を換えるなら、余裕みたいなものが
彼らにもあるのではないか。
それを認めないのは、人の地位を守りたいからではないのか。
無駄を「獲得」した人間を誇っているのではないか。
そんないらないことまでつらつらと考えてしまった。

まあ、そんなうだうだは置いておくとして。
いままで岩合さんの写真は猫しか見たことがなかったので、
野生動物の写真集は新鮮でした。
猫のいる空間全体を含めて猫になっているようなあの感じとは違って、
それぞれの獣そのものを主人公としているような印象。
その違いが対象によるものなのか、岩合さん自身の時間的な変化なのか。
その辺りは分かりませんが、こちらも好きです。

特に蹄をもった獣がいい。
イボイノシシ、クロサイ、スイギュウ、ヌー
ガゼルにインパラ、ムースにバイソン…。
なんてすばらしい角、筋肉、蹄、そして瞳。
「牛の眼は聖者の眼だ」と言ったのは高村光太郎だったはずですが
まさにそうだと思います。
なんだか頭を垂れたくなったしまう。
どうやっても彼らのあの目には敵わないと思う。
彼らに限っては人間臭さなんてものじゃなく、神性を感じてしまうあたり、
自分も大概アジアンだなあという気がしますが。

600ページを超える写真集の中で
あえて一番を上げるなら、426ページのトピでしょうか。
にわか雨に打たれて固まる子どもの不安げな感じと
ぶれることなく佇む親の姿勢のシルエットにたまらなくなりました。

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