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2011.04.02 (Sat)

デュラララ!!×2


デュラララ!!×2
(2005/3)
成田良悟

平穏を求めて、
ある者は拳を振り上げ、
ある者は世界と距離を置く。

胸の内に、
同じ種類の諦めを抱いて。

【More・・・】

「誰の頭の中にも僕と同じように、
哀しみや怒りや喜びや希望や絶望や、
とにかく色々な感情が詰まっている。
それはなんて、気持ちが悪いんだろう」
的なことを何かで読んだ覚えがあって、
今回静雄や杏里の独白を読んでいて、
確かに気持ちが悪いなあと思った。
それぞれ人物を貶めるつもりは全くなく、
むしろ彼らが極度に単純化された「キャラ」ではなく、
色々考えて感じて、その上で動いている感じが、
「見知らぬ誰かも自分と同じように思考している」ことを、
初めて知って怖いと感じたときのことを思い出させた、
とまあ言い訳のように言えばそんなことです。
この異世界じみた池袋をギリギリ支えているのは、
多分単純なズレを二回ひっくり返した結果、
妙な形で固定してしまったような彼らなんだろうと思う。

セルティと新羅の話が収まるところに収まって、
帝人が無事都会デビューを果たした1巻から、
なんだか不穏な終わり方をしていたので、
臨也が何か動き出すのかと思っていたんですが、
まさか静雄の話と杏里の話のダブルパンチとは予想外でした。
杏里はまだ一応メインの帝人の想い人なので、
掘り下げてきてもおかしくないものの、
静雄に至っては完全に「ああいうもの」だと思ってたので、
セルティに愚痴る姿はちょっと信じられない気が。
記者さんに対し殊勝なのはキレる前振り、とか
半ば当たっていたものの諸々に失礼なことを考え、
なんだかんだ言って暴れたいんだろうと高をくくっていたら、
なんだろう、平和島静雄も人の子だったかという気分。
もしも感情と力を「抑える力」がもっと強かったなら、
多分今より悲劇的な人物像になったんでしょうが、
いかんせん沸点が低すぎるために、
池袋最強の座についてしまった静雄。
言葉少ななセルティにだけ真情を吐露する姿は、
人形に向かって話す小さな子供のようだと思った。

静雄の活躍と意外性は驚きだったものの、
今回の話の主軸にいるのはむしろ杏里の方で、
彼女のことは1巻の時点ではほとんど気にとめておらず、
まさかのヘビーパンチをくらってしまいました。
なんか今回はまさかばかりでちょっと悔しい。
それはそうと、女子高生に日本刀。
機関銃だの鎖鎌だの手裏剣だの、
女子高生は色々持たされるものですが、
日本刀というはど直球ながらいいなあと思う。
いやそんな話は置いておいて、
杏里の過去と現在、罪歌の性質を考えると、
誰も愛せないと思うのも仕方ないのかもしれないと思う。
誰も彼も、それこそ静雄まで愛という言葉使っているけれど、
それが何なのか、おそらく杏里は考え続けている。
いくら受け流していると言ったところで、
母親の最期の言葉に縛られている以上、
罪歌の言葉が届いていないわけもないんでしょう。
それを日常だと言ってほっとしてしまう杏里が悲しい。

セルティに続いて、人外のものが登場して、
ただでさえ面倒な感じに歪な人間ばかりで混沌としているのに、
池袋の路地裏は物騒なことこの上ない。
杏里が「帰ってきた」以上、
一応事件はひと段落しても何も終わってはいないので、
ここからまだまだ騒がしくなっていくんだろうな、多分。
正臣までどうやら「帰ってくる」みたいだし。
臨也が描いている構図を一緒に覗いてみると、
気がつけば渦の中心は来良学園にあって、
それも少し意外な感じがする。
セルティ、臨也、静雄辺りの存在感が強すぎて、
てっきりこちら側が中心にくるのかと思っていたので。
今のところはっきりと敵意をもっているのは、
正臣→罪歌、杏里→臨也くらい、
あ、あとは双方向的に静雄と臨也くらいか。
臨也坊ちゃんは俯瞰して悦に入ってるみたいだけれど、
思えばセルティも「首」以外の大方の事情は知っているわけで、
そうそう臨也の思い通りにはいかないと思う。
何にしろ1巻のときより次巻が楽しみです。

甚だしく「現実」での存在感が希薄だった、
某組織の創始者学級委員の活躍にも期待しておきます。



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