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2011.05.08 (Sun)

星は歌う 11巻


星は歌う11
(2011/4/19)
高屋奈月

もう終わりだと思っても、
そう簡単に人生は終わらない。
最悪も最善も、
これから何度だって更新するだろう。

そう信じて、
彼らはそれぞれの星を、
瞬く夜空を見上げる。


【More・・・】

僕はかぐや姫」で少女たちが言っていた、
「かぐや姫が羨ましかった」という気持ちは、
少しどころか、よく分かる。
「かぐや姫」を不治の病に置き換えてもいい。
終わりがはっきりと見えていることは、
悲劇には違いないだろうけれど、
一方で幸福なことなのではないかと、
そんなことを思ったりしていた。
いつ終わるのか、どこまで続くのか、
分からないまま進むのは、
良い時も悪い時も不安なものだから、
期限を区切ってほしくなるのだと思う。
制服の学生時代を終えるサクヤたちに対して、
まだまだ人生が続くことを示す大人たちの言葉が、
たまらなく胸に沁みた。

千広が決断をしてから卒業までの日々は、
時間的には結構あったはずなんですが、
色々とぐるぐる考えているうちに、
あっという間にその日になってしまうのが、
まさに高校卒業間際の日々という感じで、
クリスマスとか初詣とか、
千広抜きのホカンメンバーの情景を見ていると、
ちょっと待ってやってくれと言いたくなった。
でも、どうやらその必要はなかったらしい。
千広がサクラを選ぶことを決めたように、
ユーリも聖も、そしてサクヤも、
恋にしろ進路のことにしろ、
決断はもう済ませてしまっているように見えた。
彼らにとって卒業までの日々は、
道を決めるためにかかった時間を、
振り返って愛しむためにあったのかもしれない。
目を細めて笑うホカンメンバーの表情に泣きたくなった。

サクヤも心を決めて、
千広と離れなければいけないことを納得して、
前を向いてはいたんだろうけれど、
奏さんが言うところの「前座」をちゃんと終わらせるために、
辛くても、さよならを言うことを選んだんだと思う。
うやむやにしたならしたで、再会することは簡単になる。
でもそのもやもやした状態を終わらせるのは、
時間が経てば経つほど難しくもなる。
サクヤは一度ちゃんと気持ちに区切りをつけて、
千広から手を離した上で、
そこからもう一度待ち始めることを選んだわけで、
そのメンタルの強さには呆れるほどだけれど、
そんな子が立ち上がれなくなるほど泣く姿を見て、
「嫌な話」をできる奏さんも凄いと思う。
サクヤに対して言う言葉は、
おそらく半分以上自分に向けたものでもあって、
この人の「最悪」や「倖せ」について、
もっと知りたかったような気もした。

サクラの内面は今まであまり触れられなかったので、
彼女がそれを嫌っていたにも関わらず、
なんとなく「不幸な弱い子」という認識だったんですが、
たくさんの人の優しさをちゃんと自覚しながら、
最後の支えである千広の手を自ら離すと決めるなんて、
サクラは思ったより骨の太い子だったようです。
サクラがそれをしなかったとしても、
おそらく千広はサクラを恨まないし、
決して彼女を見捨てることもないと思うので、
その意味で手を離すことさえ自身のためとも言えるけれど、
でも「大丈夫?」と聞く千広の言葉に、
思わず顔を歪ませるサクラの表情を見ていると、
この選択はやっぱり千広と、
会ったこともないサクヤのためなんだと思う。
他人の幸せを思うことが、
自分の周囲の世界を肯定することなら、
サクラは本当にもう大丈夫なんでしょう。
一番救いから遠くにいた子がやっと笑えて良かった。

聖と沙紀さんの結婚の詳細とか、
奏さんの東京生活とか、
まだまだ読みたい話はありますが、
とりあえず、サクヤが笑って終われて何よりでした。

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テーマ : 漫画 - ジャンル : アニメ・コミック


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