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2011.06.04 (Sat)

クビツリハイスクール 戯言遣いの弟子


クビツリハイスクール 戯言遣いの弟子
(2008/8/12)
西尾維新

閉ざされた空間で、
彼女たちは学ぶ。
世界とは、力とは、
そして敵とは、何なのか。

己の立つ場所も知らぬまま。


【More・・・】

友達より恋人が大事またはその逆。
どちらにしろ理解できない。
あの人よりこの人というのは分かる。
でも誰かと誰かをいっしょくたに扱って、
ラベル同士を比べるなんて、
乱暴が過ぎるんじゃないかと思う。
なんていううだうだした思考なんぞ、
哀川さんの前では無力極まりない。
まあこの人の前で力と認められるものなんて、
そうはないんですが。
最強の請負人がもっているラベルは、
おそらく少年漫画のそれのように少ない。
そして一度貼られたラベルははがれない。
そういう意味で、哀川さんは乱暴だと思う。
でも、彼女の「最強」は、
おそらくその乱暴な正しさによって支えられている。

付き添いをしてクビキリに会い、
友達の輪に巻き込まれてクビシメを見届け、
で今回は拉致られてクビツリですか。
このハイパー事件体質をもってすれば、
いーちゃんは名探偵になれるかもしれない。
まあ、姫ちゃんの言うところの「無為式」、
誰にでも同族嫌悪される存在なんて、
探偵みたいな正の存在にはふさわしくないか。
哀川さんが「最強」であるように、
本当にいーちゃんがそんな性質をもっているなら、
零崎の存在や玖渚の愛にも多少の納得がいく気がする。
欠けや傷だらけの存在を投影図にすれば、
その縁は鋭利な刃になって他者を傷つけるだろうし、
いくら「僕」が玖渚を傷つけようとしても、
一切の凸をもたないのなら無理な話。
むしろ玖渚にとっては一番安全な存在なのかも。
なんて、言葉遊びでしかないけれども。
なんにしろ不快なだけの性質だなあ。

天才たちの島のアレは基本的に職業だったし、
哀川さんの「最強」は称号のようなものなので、
澄百合学園の女の子たちの通称を並べて初めて、
そうか、めだかの箱庭学園か、と思った。
出版順から言えばむしろめだかが戯言なのか。
まあつまるところクビキリのような推理あり、
澄百合学園のようなワンダーワールドありな感じで、
このシリーズは行きますよ、ということなんでしょう。
毎週楽しみにめだかを読んでる身なので、
十三組でもマイナスでもどんとこいなんですが、
それにしても今回は死にすぎな気がした。
ジグザグの性質上人数は多くなるだろうけれど、
玉藻ちゃん辺りは可哀そうでならなかった。
できるだけ生徒は殺したくないと思いながら、
あの程度の必要で殺す方を選んでしまうジグザグの思考が、
あるいは何よりあってはいけないものなのか。
惨劇の中でより酷いものを探してしまう状況なんて、馬鹿げてる。

いーちゃんの性質について、
哀川さんは容赦なく言いまくっているけれど、
他人に無差別に歪みを突きつけるいーちゃんと、
誰も彼もが怠けていると信じている哀川さんは、
周囲への影響という意味では、
同じくらい凶悪なのではないかと思う。
自分の欠陥を見せつけられるのと、
他人にその欠陥がないことを知るのとは、
多分似たような効果を人に与える。
学園の中で惨劇が拡大したのは、
いーちゃんという部外者のせいである一方で、
確実に哀川さんにも責任はある。
人を信じることは難しいし、貴い。
哀川さんが「最強」なのはそれができるからなんでしょう。
それでも、依頼は完遂されていても、
今回赤い請負人は失策を演じたのだと思う。
死者の数や怪我の問題ではなく、
それだけの数を殺させてしまったという点で。
迷っていると言う「最強」もそれを分かっている気がした。

曖昧無気力流れ流されが信条だとしても、
せめてセーラー服に違和感を感じられる程度には、
自分をもっておけよ、戯言遣い。

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