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2011.06.10 (Fri)

フルメタル・パニック!サイドアームズ2 極北からの声


フルメタル・パニック!サイドアームズ2 極北からの声
(2006/7)
賀東招二

あるはずだった未来を奪われても、
彼らは先を見る。
そのために何度でも顔を上げる。

彼ら自身が忘れた過去を、
想ってくれる人がいる限り、
後ろを振り返る必要は、まだない。


【More・・・】

「極北からの声」
実際どうなのかと思ってたんですが、
宗介は本当に日本人だったようです。
「さがらそうすけ」というのも本名の模様。
それだけのことさえも曖昧なままに、
ここまで物語は進行してきたんだなあと、
今さら思って、妙な心地になりました。
宗介の幼小期から現在までの変遷を、
断片的ながら見続けたカリーニンの視点は、
壮絶な経験と孤独を抱えた宗介にも、
見守って心配してくれる人間がいたんだなと思えて
それこそ親心で感謝したい気分になった。
戦うこと以外に何もなくなってしまった少年が、
学校へ行ったり誰かを好きになったりすることは、
おそらくカリーニンにとっても
自分の人生に対する希望みたいなものだったんだと思う。
たとえ自分のそれがもう取り戻せなくても。
宗介が知らずに負っているものは重い。

「<トゥアハー・デ・ダナン>号の誕生」
こちらはマデューカスさんのテッサとの物語。
カリーニンが祖国を信じて戦っていたように、
今は女神に仕えるこの人も、
かつては心身を捧げる組織をもっていたらしい。
ミスリルに入る経緯は多少違っても、
二人の男は同じようにそれらに失望したように見えた。
そういう男たちがいることで、
ダナンという艦は、そこで今を過ごす若者たちは、
支えられて動いているんだと思う。
無根拠に未来を信じられるほど、
彼らの仕事場は安全ではないけれど、
一度世界を諦めた人間がまたそのために働けるくらいには、
ダナンという艦は希望だったのかもしれない。
あとがきの通り、マデューカスさんが姑になるのも仕方ない。

「大食いのコムラード」
シリアスな過去物語から一転、
久しぶりの短編ノリで正直とてもほっとした。
しかも大きな動物ネタで嬉しい。シロ可愛いなあ。
宗介はあれで意外と可愛いものが好きだと思う。
ふもっふを愛しまくりなくらいだし。
シロは正真正銘猛獣だけれど、
思えばアルも白い。大きい。微妙に聞き分けない。
野生のASなんてぞっとしないけれど、
たとえばもっと自律的な機械だったなら、
などと想像すると、宗介の苦労が増すばかりか。
宗介が起こす問題でかなめが苦労する、という
当初の形も久しぶりな感じで懐かしい気がする。
虎の前で硬直する二人が普通っぽくて良かった。
まあその直後に猛獣の前でその主に一発かましたり、
虎を狩る人たちを狩る宗介を捕まえたりできるのは、
おそらくかなめくらいのものでしょうが。
最終的な落ち着き所としては最善だと思うけれど、
女神はネコが一頭なことに疑問をもつべきだった。

今回はあとがきが長めで、
フルメタ世界の構造の設定とか、
それぞれのキャラの書かれてない部分とか、
色々触れてくれて、というか
触れるだけ触れて書いてくれないパターンで、
もう色々欲求不満ですよ賀東さん。
察して感じるのも一つの醍醐味かもだけれども、
ガウルンとの対決とかテッサの艦長修行とか、
とても真面目に読みたいです。
残りは長編が三つのだけなので、
その辺を埋めてくれる公算は低いだろうなあ。
いや、もしかしたらまた短編でやってくれるかも。
なんて、長編を読み終わってない身で言ってみる。
本当に書いてくれないかなあ。

さていよいよ長編の終盤三冊、
物語のクライマックスに進みます。
表紙はまた知らない子で若干不安なんですが。
元気なかなめに会いたいです。

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