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2011.06.18 (Sat)

コップクラフト2


コップクラフト2
(2010/6/18)
賀東招二

剣をふるえばドヤされる。
親切に礼は返ってこない。
努力は空回りするし、
何かと子供扱い宇宙人扱い。

それでもティラナは街に留まる。
必要とされる仕事があって、
気に食わない相棒がそこにいるから。


【More・・・】

刑事という仕事のなんたるかなぞ、
知っているわけもないものの、
少なくとも現実のそれはアンパンと牛乳、
あるいはカツ丼とおふくろさん、
といったものが幅をきかせはいないと思う。
だからと言ってカーチェイスでもない。
公僕たる彼らの仕事はお上と民草に立って、
悪しきをくじき弱きを助く、が基本。
だと善良な一市民としては信じたいんですが、
基本的には彼らは官の側にいるので、
腐ったりすることもあるでしょう。
おそらくそれは物語の要素だけの話ではない。
では、とマトバとティラナ、
架空の世界の架空の刑事コンビを振り返ると、
現実の刑事も典型的な刑事も、
なんだかどうでもいいような気になった。
もうこの二人がテンプレになればいいと思う。

1のラストで示された通り、
ティラナは刑事業をこなしている模様。
しかも単なる戦闘要員でも通訳でもなく、
書類仕事あり尋問あり、ガサ入れももちろんあり、
本当にこちらの世界で職についているんだなあと思う。
自動車は相変わらず苦手のようだけれど、
それ以外の面ではかなり馴染んでいる。
というより正確に言えば、
マトバのフォローが板についてきたという感じか。
暴走する鞭をうまく利用する辺り、
マトバは本当に有能な刑事なんだなと思った。
ティラナの前の相棒とやっていたときは、
もっとスムーズにことが進んでいたはずで、
マトバにしたら今の状態は不本意なんだろうし、
喧嘩するほど仲が良い、なんて
陳腐以前の物言いだとは思うけれど、
それでも二人の罵り合いがじゃれ合いに見える。
仲良きことは可愛いなあ。

今回は吸血鬼退治とエロ本泥棒追跡、
あるいはティラナのお部屋改造とカーチェイス大作戦。
魔法や呪いがまだ効力を持っているセマーニ世界であっても、
吸血鬼みたいな人間に近い怪物は、
なんとなくいないような気がしてたんですが、
それは半分正解で半分間違いだったようです。
習性として人を襲う生き物が、
人の敵意を買わないわけもなく、
ドラキュラさんよりも上位の存在っぽい彼女の種族は、
やはり人間によって駆逐されたのだと思う。
手負いの彼女が回想する払暁の光景は、
人と襲うモンスターではなく、
時代を終えて去った者たちのそれで、
マトバとティラナがしくじるのも困るけれど、
門やらなんたらの書の話は別にして、
もっと彼女の話を聞きたかった。

外見はいわゆる美少女でも、
中身はマトバと同年代または年上だと思ってたんですが、
アレやらナニやらに関する知識の程度は、
どうやら少女以下だったようなティラナ。
これくらいがセマーニ人の年相応なのか、
はたまたお姫様なティラナが知らな過ぎるのか。
おそらくは後者なんでしょうが、
この一件のセマーニ人はなんだか総じて初心で楽しい。
好きだの嫌いだのではなく、
一方で認めているから認められたいと思うティラナの気持ちは、
決して子供の背伸びなんかではなく、
むしろ仕事をする人間の向上心に近くて、
マトバが思っているよりもずっと、
ティラナはちゃんとした大人なんだとも思った。
まだまだ刑事としては半人前以下の彼女だけれど、
新車にウキウキして夜更かしをするマトバとは、
なんだかんだでどっこいどっこいかもしれない。
濃い人間揃いの特別風紀班で、
彼女が成長していくのが楽しみです。

イリーナ嬢は、
もう少しあふれ出るものを抑えた方が自分のためだと思う。

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