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2011.11.10 (Thu)

フルメタル・パニック! マジで危ない九死に一生?


フルメタル・パニック! マジで危ない九死に一生?
(2011/8/20)
賀東招二

陣代高校での日々は、
それほど長い時間ではない。
三年間よりよほど短い日常が、
彼と彼女を繋いだ。

ハリセンがうなる毎日に、
ふもっふと別れを告げよう。


【More・・・】

「与太者のルール」
サバイバルゲームを嗜んだことはないし、
もちろん実弾も実戦も知らないけれど、
あの小さなBB弾の痛みだけは知っている。
小学生がおもちゃとして使っていたものだから、
陣代高校の同好会が使っているような、
「実戦」向けの武器ではないにしろ、
あれは、痛い。本当に痛い。そして危ない。
かなめと宗介には全面的に同意する。
二人が何かを挟んで対立する構図はしばしばあるので、
あまり心配せず、むしろニヤニヤしながら読んだ。
同好会と宗介の対決の顛末よりも、
久しぶりに林水会長閣下が出てきたり、
かなめの生来の熱い魂、根性が見れたり、
そういうことだけで、これが短編だよなあと懐かしくなった。
彼女に武器を握らせてはいけない、とか
宗介がさりげなくシリアスノリなのも、ご愛嬌。

「ご近所のサーベイヤー」
短編では宗介とのニヤニヤを助長する要素、
という風にしかほとんど見ていないけれど、
かなめが女子高生の身で一人暮らしをしている事情は、
なかなかにヘビーなものがある。
以前にお祖父ちゃんと再会した話も、
普段の強気かつオヤジ染みた言動とは一線を画す健気さ全開で、
長編の終盤のことも考えあわせつつ、
清掃員のおばちゃんの不遇に憤る彼女を見ていると、
この子の中にある基本的な寂しさが透ける気がした。
いつものドタバタの要素もありながら、
宗介がなんとも自然にかなめに白を切ったり、
かなめが自分の寂しさをおくびにも出さなかったり、
二人の間にも全く触れ合わない領域があることが、
頼もしいというか、安心した。
それにしても宗介の手法は目的をたがえると、
即通報レベルのストーキングだと思う。

「つぶらなテルモピュライ」
テルモピュライってなんだと思ってググって納得。
あの遊園地での騒動以来表に裏に活躍してきたボン太くん。
その来歴は今まで闇の中だったが、
ここにきてその数奇な変遷が明らかにされた。
彼が多くの支持を集める位置に上り詰めるまでには、
一人の豆腐屋の熱い思いと崇高な理念があったのだ。
疲れるので、やめる。
全体を通してひたすらふもっふしている話で、
多分過去最高数のボン太くんがふもっふしたのではないかと。
世紀末的ひでぶっ的な雰囲気の敵が迫ってきたり、
まさにテルモピュライ、もとい「300」的攻防だったり、
ふもっふとのコラボ要素が大変楽しかった。
かなめも大概という気がするけれど、
宗介も結構周囲の雰囲気というかノリに乗っかるの好きですよね。
橋を爆破された会場管理者が一番哀れだと思う。

「テッサのお墓参り」
他の三篇の時系列はいろいろだけれど、
この一篇だけは明らかに最終決戦後のお話で、
ダナンも基地も失ったミスリルの面々がどうしたのか、
世界はどこへ向かって舵を切ったのか、
そのあたりのことが少しでも分かってほっとした。
正直に言えば、世界がどうのというよりも、
テッサが惚けてふわふわ生きられる場所にいるというだけで、
あの戦いを彼女が生き延びられたことを喜ばずにはいられない。
結局本編では明らかにされなかったバニという少年のこと、
彼がアルを生み出した意味や、
それをアルと宗介が二人で超えていったこと、
テッサが旅の中で考え、アルが墓の前で「思った」ことを、
長いシリーズの中のたくさんの戦いのことを思いだしながら、
改めて彼らと一緒に考えた。
このフルメタ世界が今後どこへ向かうにしろ、
NYに建つアパートがいつまでも賑わっているといいと思う。

おそらくこれでかなめと宗介のフルメタ世界とはお別れ。
アナザーもあるようだけれど、
読むかどうかを決めるのは、
しばし別れを噛みしめてからにします。

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