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2009.06.21 (Sun)

まんまこと


まんまこと
(2007/4/5)
畠中恵

お気楽な人は
そばにいて楽しい。
でも、お気楽でいることは
なかなかに厄介だと思う。

麻之助は多分、
真面目にお気楽をしている。

【More・・・】

江戸時代って、意外と近い。
ほんの二百年ほど前までは、こんな暮らしが確かにあった。
士農工商の身分があって、縁談で夫婦が添って。
そしてこんなにあっけらかんだったかどうかは別にして
麻之助や清十郎の親父殿のような名主がいたんでしょう、きっと。
奉行所の前にもっと庶民に密着した調停の場があったなんて、
なんだかうまくできてたんだなあと思う。
現代にも近隣とのいざこざや家庭内のことを
身近に仕切ってくれる玄関があったらいいのに。
出るとこ出る、なんて方法しかないから
ことが大きくなるような気もしてしまいます。

でも、この仕組みが成り立っているのは、
江戸の人々の飲み込みのよさ、
もしくはわきまえた感じのおかげだという気もしますが。
権限をもっているとはいえ、一町民でいしかない名主の裁定を
渋々でも受け入れて、また生活していくだけの潔さ。
それが共通のものとして根付いているのが、少し不思議だった。
こんなに物分かりのいい人たちが一昔前にはいたのか、と。
「静心なく」で起きた事件のようなことが
もっと頻発してもよさそうなものなのに。
それともこれは、二人の名主の手腕によるものなのか。
どちらにしろ、出来た人たちだと思う。

生真面目だった若者が能天気な悪たれになった理由。
序盤から大体の予想はついていたものの
いざ読むと、やっぱりな感もあるけれど、
それでもため息をついてしまう。
どうしようもないんでしょう、きっと。
手を伸ばしてはいけない、踏み越えてはいけない。
でも、と思ってしまう。どうしてもダメなのか…。
ダメ、なんだろうなあ。

現代以上に制約が多いはずだけれど、
結局留まる道を選ぶにしても、
道を選ぼうとする麻之助がカッコいいと思った。
おしんちゃんのように違和感をもつだけでも大変なことなのに
麻之助は迷う自分に戸惑いもせず、
正々堂々迷う。
迷って、考えて、その上で自分と周りと両方見回して、決める。
何かを決めるときの姿勢として、本当にカッコいい。
迷う姿がカッコいいなんて、妙な話かもしれないけれど。

シリーズらしいので、
次巻は他の二人の悪たれも
きっと存分に迷ってくれることでしょう。
その先の彼らの決断を楽しみにします。
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テーマ : 読書感想 - ジャンル : 本・雑誌


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