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2009.08.19 (Wed)

夢の守り人


夢の守り人
(2007/12)
上橋菜穂子

一つを選ぶと、
それ以外の選択肢が全て消える。
選んだものの正否は決して分からない。
そんな選択を、
「自由の牢獄」と呼んだひとがいた。

それならば、
生きる者はみな
その獄の囚人なのだろう。


【More・・・】

チャグムではないけれど、
バルサとタンダの関係はやきもきさせられる。
相手を殺すくらいなら、自分が死ぬなんて、
何の迷いもなく言える関係は、なんだか凄まじい。
過去に決着をつけて帰ってきた以上、
何かしらの進展があるかと思いきや、
あったのは望まない拳と拳のぶつかり合い…。
トロガイでなくても、「お人好しの大馬鹿者!」と言いたくなります。
まあ、そうしてしまうあたりがタンダなんだなあという気もしますが。

チャグム、バルサときて、
今回はタンダとトロガイの話。
あとがきでも上橋さんが書いてますが、
確かに言われてみれば、
当たり前に歩むはずだった人生から外れた人々という共通点はあっても、
その道を選ぶ選択肢があったかどうかについては、
チャグム・バルサと呪術師の師弟に間には差があるのかもしれない。
でも、それは程度の問題なんじゃないかとも思う。
選んだのか、選ばされたのか。
その辺りを分ける境は、多分とても曖昧で、
バルサの方が選んだ結果で、
選択肢がなかったのはタンダの方だとも言える気がする。
バルサにぶん殴られそうだけれど。

もちろんそんなことは、多分バルサも知っている。
運命なんて言葉を殴り飛ばすような彼女は、
自分が生きてきた道を誰かのせいにしたりしないだろうし、
タンダだって、そうだと思う。
でも、チャグムの苦悩や、
そのひりひりするような夢を一緒に見ていると、
たまらなくなってしまう。
12歳のチャグムがどうしようもなくなって、
夢に捕らわれてしまったように、
「夢」を見ていた頃がバルサにもトロガイにあったはずで、
しゃんと生きていても、それはたまにうずくらしい。
その痛みが誰もに覚えのあるものだからこそ、
彼らが喘いだり、自分を叱咤したりするたびに
自分の中もひりひりする。
ユグノの歌なんて聞いたら、一発K.O.だと思います…。

それにしても、
サグにナユグ、地の底の国、そして<花>の世界…。
同時に存在する世界の多いこと。
まあ、命の数だけそういうものが存在するとも考えられるので、
3つや4つなんて驚くことでもないんでしょうが。
とはいえ、そろそろややこしくもなってきました。
幸い近づいた世界はまた離れていくようなので、
それほど前に引きずられもしませんが。

人も増えてきたので、
相関図でも書きながら、
さくさく次へいくことにします。

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23:58  |  上橋菜穂子  |  TB(1)  |  CM(2)  |  EDIT  |  Top↑

Comment

先日は、ありがとうございました。
こちらにもトラックバックさせていただきました。
トラックバックお待ちしていますね。
藍色 |  2010年09月26日(日) 15:48 |  URL |  【コメント編集】

●Re: タイトルなし

こちらこそ前回に引き続きありがとうございます。
トラックバックさせて頂きました。
シリーズの続刊を楽しみにしています。
あこん |  2010年09月26日(日) 20:32 |  URL |  【コメント編集】

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夢の守り人 上橋菜穂子

人の夢を糧とする異界の花に囚われ、人鬼と化したタンダ。女用心棒バルサは幼な馴染を救うため、命を賭ける。心の絆は花の魔力に打ち克てる...
2010/09/26(日) 15:17:32 | 粋な提案

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