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2009.08.30 (Sun)

重力ピエロ


重力ピエロ
(2006/6)
伊坂幸太郎

いざというとき、は
いつくるか分からない。

でも、そのとき。
「あのさ」と言える相手は、
多分一人か二人だと思う。


【More・・・】

誰かと繋がる、ということの手始めは
おそらく多くの場合家族なんだろうと思う。
自分の誕生日を知っている。
そのことだけでも、家族という地盤の存在を教えてくれる。
だから、兄弟の父親はとてつもない。
母親がそれに一目で気づいたのも凄いけれど、
なんて強くしなやかな大黒柱だろうと思う。

誕生日もそうだけれど、
思い出話も同じなんでしょう。
会うたびにそれを繰り返し、
同じ笑いや、異なる記憶を共有する兄弟は、
とても幸福に見える。
どこにでもありそうだけれど、
絶対的にオリジナルな家族の記憶。
それを話し合うときの安心感やこそばゆさを、
春が笑うたびに、自分に重ね合わせて思った。

自分と家族に血の繋がりがあるかどうか。
多分、大方の人がある時期、
懐疑的な心持ちで考えたことがあると思います。
まあ、我が家の場合で言うなら、
「お前は橋の下で拾った子だ」と深刻そうに告げて、
半泣きの子供にプロレス技をかけるような感じでしたが。
でも、あの泣き出しそうになる気持ちが、
自分にとっての家族の位置を示してるんだろうな、と
春の十年や「私」の決意を思いながら考えました。

事件の顛末については、大方予想の通りとはいえ、
見事な構造に感心してしまった。
序盤から何気なくそこここに置かれているキーワードが、
途中からはその収束具合が気持ちよくなるくらい。
遺伝子、コドン、アポトーシス…。
なんだか生物の教科書のようで半ば懐かしくなりましたが。
それにしても、どんだけ縁起担ぐ弟なんでしょう。
ここまでいくと、拍手ものだけれど。

はらから、という言葉の、
頼りなさと強さを思った一品でした。

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テーマ : 読書感想 - ジャンル : 本・雑誌


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