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2009.10.03 (Sat)

レキオス


レキオス
(2006/1/25)
池上永一

いくつもの時代をこえて
訪れる、満願成就の時。

それを阻むのは、
土地と共に現代を生きる、
何もかもがバラバラの人々。

【More・・・】

逆さまの女、なんて、
なにかの怪談にあった気がしますが、
チルーが怖くないのはなんででしょう。
守護霊とかいいつつ取り憑いてるくせに、
字が書けることを喜んでみたり、
粋な機転で人の背中を押してみたり、
なんだか人間味がありまくるからでしょうか。
それとも単にデニスの肝の太さによるのか。
何にしろ、全登場人物の中で、
チルーが一番気に入りました。
ちなみに次点はユタのオバァ。

土地に眠るものを覚醒させる計画。
それが邪じゃない訳もなく、
オキナワが大変なことになっていくわけですが、
その過程があまりにバラバラと語られるので、
若干何が起きてるのか混乱しました。
特に序盤は、誰が何のために動いてるのか分からないまま、
死人が出たり、仲間割れしたり、逆に手を結んだり、てんやわんや。
最終的には整理がついてほっとしましたが、
キャラダイン中佐がえらくB級臭くなってしまって残念でした。
頭脳も力も次点の者ばかり手元に集めて、
どの辺が完璧な計画、なんでしょう。
そもそも三千年前に下らない嫉妬のせいでとん挫した計画なのに。
彼の目指すものは何年経とうが実現しない気がします…。

それに比べて、
デニスはじめ、土地で生きる人々の強さと言ったら素晴らしい。
その場所に根をもっていなくても、
ラジニや劉のように、
生きる場所を見つけられるたくましさが羨ましくもある。
ふるさとの位置を見つけられずにうろうするデニスでさえ、
日常生活的には、友人がいて家族がいて、愛機もある。
足元を不安に思いながらでも、
ちゃんと毎日を成り立たせている。
混沌や猥雑さを知っている、ということは
強みなんだなあ、とかそんなことを思った。

オルレンショー博士の言葉のうちで、
特異点だとか大統一理論だとか、
聞き覚えのあるものが出てくるということは
私が分からない部分にも
色んな要素を散りばめてるんだろうな、と思うと
分からないのが悔しいような、あっぱれなような。
「処女懐胎」したシスターをマグダラ、と名付けるあたりに、
書き手の感覚の一端を見た気がしますが。

とにもかくにも、
魔術やら精霊やらと同じ次元で、
戦闘機や物理学が元気いっぱい跳びはねてたりする、
なんともごった煮な話でした。

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