2017年11月 / 10月≪ 123456789101112131415161718192021222324252627282930≫12月

2009.10.10 (Sat)

今昔続百鬼 雲(多々良先生行状記)


今昔続百鬼 雲(多々良先生行状記)
(2006/6/15)
京極夏彦

嫌いなものじゃなく、
好きなもので自分を語りたい。
なんて、生っちょろい。

語ります、好きなもの。
追いかけます、好きなもの。
存在そのものがもう、好きなもの。
だって好きなんだもの、妖怪。
多々良センセイは、そんな人。

【More・・・】

ガンギ小僧…。
なんだかどこかで最近目にした名前だなあとか思っていたら、
あれですか、ぬらりひょんのとこのお孫さんのお話ですか。
四国の狸の息子の仲間にいたような。
そういえばと考えてみれば、
狂骨だのなんだの他にも共通項がありました。
まあ、結局同じ穴のムジナ、なんでしょう。
京極くんもかのマンガ家も、そして多々良先生も。
度合いは違えど、自分もそうな気がするので、
人のことを言っている場合ではありませんが。

動かない古本屋と、突飛な動きをする探偵と。
彼らの横で右往左往する自称一般人と。
そんな図で考えるなら、多々良先生と沼上くんも同じなんでしょう。
ただ、古本屋と探偵の場合と違うのは、
一般人だの常識人だのという範疇から、
多少、というか割に、外れていることを
沼上くん自身が自覚していること、でしょうか。
鬱病の小説家と平凡な図面引きは、
自分が普通であることに「異常に」拘ってる気がしますが、
沼上くんのすっきりしたことと言ったら、なんとも小気味が良い。
まあ、そのせいでセンセイと合わせ技一本、
変な二人連れと化して変な事態に首突っ込む訳なので、
良いのか悪いのか微妙な線かも。
あ、結局巻き込まれるのは前の二人も同じか…。

それにしても、
センセイの話は面白い。
いや、別に古本屋の話が面白くないとかじゃなく、
言い換えるなら、分かりやすい。
古本屋に比べれば、脈略も結論もあったもんじゃないけれど、
単純な言葉から連想して始まるひらめきの連鎖は、
沼上くんじゃないけれど、凄いと思う。
現実にこんな人と二人旅なんてしたもんなら、
おそらく早々に爆発してしまう気もしますが、
それでも、面白いだろうなと思う。
話はもとより、見てて、面白い。
何だかんだ言いながら、沼上くんもそうなんじゃないかと思う。
自分の興味とセンセイという連れ合い(?)と。
面白いから、何度でも懲りずに行ってしまう。
これはこれで因果な性質かもしれません。

何の捜査もせずに事件が解決する。
その点だけ言えば、
妖怪馬鹿の二人連れはまるで探偵のようですが、
人死にが出てる割に生臭くないのは、
多分何もしないからなんでしょう。
結局どの事件も当事者にはならず、
巻き込まれて疑われるか頼られるか危ない目に遭うか。
陰惨な事件への関わりかたとしては、
至極真っ当な方、かもしれません。
落としたり粉砕したりするよりはよほど。
頻度で考えると普通ではないけれど、
でも、変に違いない二人は普通の関わり方をする。
だから、読みながら安心して一緒に泣き笑い怯えしんみりできる。

いい旅でした。

スポンサーサイト

テーマ : 読書感想 - ジャンル : 本・雑誌


23:35  |  京極夏彦  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

Comment

コメントを投稿する


 管理者だけに表示  (非公開コメント投稿可能)

▲PageTop

Trackback

この記事のトラックバックURL

→http://acon6960.blog40.fc2.com/tb.php/76-ad7aebc5

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック

▲PageTop

 | BLOGTOP |