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2009.10.13 (Tue)

百器徒然袋 風


百器徒然袋 風
(2007/10)
京極夏彦

正当な逆恨み、なんて
ある訳もない。
でも、どうせするなら、
効果的なもの、の方がいいと思う。

探偵相手じゃ考え出すのも苦労するだろうけれど。

【More・・・】

事件を解決することは、
やましいところがある人間にとっては当然嬉しくないわけで
逆恨みなんていう理不尽は、
警察や裁きに関わる者には実際ついて回るものなんでしょう、きっと。
ただ、そういうものは普通は嫌がらせ程度か、
もしくは飛んで、命を狙う類のものになる気がするんですが。
しち面倒臭い手順を踏んで、
しかもかなりのリスクを抱えてまでやることが
下僕をダシにした探偵社の瓦解って、
なんか微妙な逆恨みだな、と思ったわけです。
しかも残念ながら、成功したところで
探偵本人へのダメージが著しく小さい。
神無月鏡太郎も羽田老人も、お疲れ様です。
クッキーを大量に送りつける、とかにすれば良かったのに。

とまあ、なんだか馬鹿げた嫌がらせの話二話では、
探偵は馬鹿らしい振る舞い絶好調。
ほぼ比例して下僕諸君の苦労もうなぎ登り。
図面引きは賢明な決心をしたにも関わらず、
拉致監禁、そして容疑者扱いの刺身のツマ扱いだし、
益田くんは上司をモノマネ出来るほど慣れてきたのに、
嵌められて追い出されて冷たくあしらわれて、怪盗助手に降格(?)
まあ、その分古くからの方々は静観の構えでしたが。
あ、警察関係の方々は迷惑千万だったか。

その馬鹿げた二つの事件のきっかけになった五徳猫事件。
当然のように探偵は物理的に大暴れなので、
どうもその後ろでかすんだ感がありますが、
この事件の骨格である親子、特に母子の話は、とてもぐっときた。
昭和、しかも戦後の話のわりに
売られた娘だの、女衒や悪徳の主人だの、
なんだかちょっと時代がずれてるような感がまた、
単純に言うと、すごく好きです。
図面引きはどうかと思っているようですが、
私が水あめを買うようなガキんちょだったなら、
近藤の描く紙芝居、喰いついて見るような奴だったかも。
子どもでも何でも面白いものは面白いと思うんだけどなあ。

探偵の言動は、
古参の方々以外の下僕諸君と同様、
古本屋に説明してもらうまで大概分からないわけですが、
今回の「豆投げ大会」とは違う「鬼苛め」が何のことなのか、
どうして普通の鬼の面じゃ「駄目駄目」なのか、
説明が入る前に分かったのが、えらく嬉しかったり。
年末で、鬼が追いかけられて、普通とは違う鬼の面が要る伝統行事。
そういう風に考えて思いついたものが
一般家庭で行われるのは一般的でない気もしましたが、
まあそこは元華族のお家のことだし、親爺さんも変人らしいし。
ということにして読み進めて大当たりだった時のしめた感と言ったら。
推理小説の犯人を解き手より前に推理した気分。
…ということは、探偵自身が謎そのものってことなのか。
分かってはいましたが、やっぱり榎木津は破天荒な探偵のようです…。

出てきていないくせに
出てきているときよりインパクトあるなあとか思いながら
関口先生の鬼姿を想像しました。
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